プロジェクトストーリー01 「銀行業務の変革」

デジタライゼーションの進展による
銀行業務の変革

近年、デジタル技術の進展によって、これまでの金融サービスの枠組みを超えた新しいサービスの提供や、金融業務そのものを代替するサービスの台頭が著しい。具体的には、QRコード決済やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AI(人工知能)、ブロックチェーン、ビッグデータなどのデジタル技術により、「銀行口座を介さない資金移動」や、「見ず知らずの他人との間での資金の貸し借り」などの、新しい金融サービスが生まれている。
また、銀行内部においては、デジタル技術を活用することで、「人の手」「人の目」を要しない、業務の自動化・高度化する仕組みを整え、大胆な業務合理化と生産性の向上が進められている。

第四銀行においても、デジタル技術を活用して、「業務改革」「店舗改革」「チャネル改革」を3つの柱とする「構造改革」に取り組んでいる。
この「構造改革」は、お客さまの利便性の向上を図るとともに、業務の効率化によりこれまで以上にお客さまへのコンサルティング業務に注力し、付加価値の高いサービスの提供を実現するための改革である。

固定観念にとらわれず
新しい可能性に挑戦

「業務改革」「店舗改革」「チャネル改革」として、デジタル技術を活用した様々な取り組みが拡大している。
お客さまへのサービス向上を目的とした「攻めの活用」分野として、「インターネット支店」の開設と「口座開設アプリ」の提供開始、住宅ローンを除く個人ローン商品の「Web完結スキーム」の取扱開始などがある。一方で、事務フローの見直し等による生産性向上に向けた「守りの活用」分野では、窓口や外訪時の事務処理のためにタブレット端末を導入し、大胆に業務フローを見直すとともにペーパーレスや検証レスなどを進め、事務省力化・生産性向上・コスト削減を図っている。

舟山は、デジタライゼーションに関するこれらの取り組みを、様々な部署と連携しながら推進・管理する部署に所属している。常に新しいことへの挑戦であり、一つ一つ手探りで進めていく中には多くの課題があり、その課題を解消し取り組みを推し進めていくためにはチームワークが非常に重要である。そのため、当該部署を中心に定期的に会議を開催し、密な情報連携を図っている。

現在の部署に配属される前、1年間メガバンクにトレーニーとして派遣され、メガバンクの先進的なデジタライゼーションの取組みについて学んだ。メガバンクの担当者や全国の地方銀行から同じくトレーニーとして所属していた同僚とともに「金融業務のデジタライゼーションの未来」について考え悩んだ経験は、現在の業務を遂行するうえでとても役立っており、かけがえのない財産となっている。
「銀行の都合や利益を優先して判断するのではなく、常にお客さまの立場に立って考えることが大切。そして固定観念にとらわれない柔軟な発想が必要であり、今までと同じことをしていては、お客さまの期待に応えられるサービスを提供することは出来ないのです。」
これまでにない新しい商品やサービスの企画・開発に携わり、自分の考えや意見が反映された商品・サービスが世の中に出ることの喜びや充実感はとても大きい。

お客さまの「スマイル」を創出する

「構造改革」の一つである「店舗改革」は、これまでの銀行店舗内の業務フローを抜本的に見直し、簡素化・効率化することで銀行店舗の役割を大きく変える改革である。
塚野は、その中でも「TSUBASA Smile(窓口受付システム)」の預金系メニューの開発を担当。「TSUBASA Smile」を銀行店舗に導入することで、新規口座開設や住所変更などの手続きを、タブレットの操作で完了することが可能となる。従来、お客さまから書類へ記入いただいていた事項は、タブレットの入力と電子サインに変わることで、手続き時間の短縮に繋がる。
その上、「TSUBASA Smile」は、お客さまとのコミュニケーションツールでもあり、口座開設の手続きを行いながら、お客さまとの会話を通じてライフサイクルの変化などをヒアリングし、お客様のニーズに応じた資産運用や融資などのパンフレットをタブレット画面に即座に表示し、タイムリーにご提案することができる。今まさに銀行店舗は「オペレーションスペース」から「コンサルティングスペース」へと変革しつつある。

また、「TSUBASA Smile」は、TSUBASA行(千葉銀行・中国銀行)と共同で取り組むプロジェクトである。塚野は、日々他行の担当者と情報交換を密に行いながら、各行の良い点を取り入れた開発に尽力する。各行の業務上の課題を、どう「TSUBASA Smile」という統一のシステムに反映させていくか…。システムエンジニアと課題を共有し改良方法を検討し、行内の各部署とも調整を行う。まさに、開発の方向性を指し示し、新しいシステムの「大きな絵」、グランドデザインを描く役割を担っている。
塚野は「現在の業務フローの変更を伴うので、行内の各部署との調整に苦労することもありますが、最終的には、職員の事務負担が減ること、そして何よりお客さまの笑顔に繋がることだと考えると非常にやりがいを感じます。」と語る。

お客さまから選ばれ続ける
「金融グループ」へ

少子高齢化を伴う人口減少が進行する中、地域金融機関としての役割・使命を果たし、地域とともに持続的に成長していくためには、今後とも北越銀行とともに、変化に挑戦し新しい価値を創造していく必要がある。
デジタライゼーションの急速な進展に対応しながら、これまで以上にお客さまに寄り添い、お客さまが求めている最適な品質とサービスの提供によって「お客さま第一主義」を実践し、お客さまから選ばれ続ける「金融グループ」を目指していく。

Miwa Tsukano

塚野 美和(2003年入行)

第四銀行
本部 業務革新担当 調査役

Hiroki Funayama

舟山 裕樹(2009年入行)

第四銀行
本部 デジタルバンキング推進担当 主任