プロジェクトストーリー02 「市街開発プロジェクト」

地元の一大公共事業へ新たな挑戦!

『県内公共施設の整備及び運営事業』―新潟県が実施する過去最大のPFI事業。この事業実施の公表を秋山が知ったのは、2015年の新聞発表であった。PFI事業とは、民間企業グループの出資により設立された特別目的会社(SPC)が事業主体となり、発注者である自治体との契約に基づき、公共設備の設計・建設、維持管理及び運営を実施する事業手法である。
発表当時、秋山は東京のメガバンクに出向していたが、銀行に帰任後、このプロジェクトにメインで携わることとなった。秋山や営業店の法人営業担当者たちは、取引先に対して積極的な情報提供を行い、ある民間事業者がこの事業を検討している情報を入手した。他行との競合・入札を経て、秋山たちが支援する事業者が、新潟県から選定された。
選定されたから終わりではない。事業者と協議を重ね、PFI事業に詳しい弁護士と連携しながら、スポンサー7社との条件交渉や契約締結まで、プロジェクトに係るあらゆる業務を担当した。同時に複数の金融機関をとりまとめる幹事役も担い、地元金融機関と連携して金銭面からの支援も行った。

地域活性化への
自信と使命

「最終契約に至るまでは、必死に動いており実感はありませんでしたが、正式受注が決まり、新聞発表された際に、銀行内外の多くの方から労いの言葉をいただきました。」と、秋山は語る。
実は、こうしたPFI事業において、案件組成から契約締結まで一連の経験を持つ銀行員はそう多くない。大きなプロジェクトを担当する秋山のもとには、「話を聞かせてほしい」と県外の銀行までもが訪れた。
このPFI事業は始まったばかり。「2019年に施設が完成します。完成した後は、オープン後の運営を管理していかなければいけません。やっとスタートラインに立ったところですね。」秋山は身を引き締める。

地域資源を活用した
「まち」の再開発

秋山はまた、大きな開発事業にも携わっていた。新潟市中心部の百貨店跡地とその周辺の建物を再開発し、複合施設を建設するプロジェクトである。多額の資金が必要となるこの再開発事業を支援するために、複数の金融機関が手を結び、シンジケート団(協調融資団)を組成する。その幹事役を担ったのが北越銀行である。幹事は金融機関をまとめるだけではなく、再開発にかかわるあらゆる関係者との交渉が必要である。それぞれが別々の思いを抱えている。その中で、最終的な着地点を見出し、シンジケートローンの組成実現に至ることに大きな喜びがある。「難航した局面があり苦労しましたが、上司からアドバイスをもらい、仲間たちがサポートしてくれたので、乗り越えられました。だからこれはチームの成果です。」秋山は、チームでプロジェクトに取り組むことの大切さを改めて実感した。

地域社会に貢献していく誇りと喜び

病院や学校、公共施設などの暮らしのインフラ整備に金融機関として携わり、新潟の特性を活かした「まち」づくりを支援することも、地域金融機関の重要な役割である。その現場の最前線にいる秋山は「とてもやりがいのある仕事」と言う。
超高齢化社会や人口減少など、変わりゆく時代の中で求められる公共施設も変化してきている。こうした地域社会が抱えている「課題」を解決し、地域に安心と安全をもたらしていく。今後は、第四北越フィナンシャルグループとして、付加価値の高いサービスの提供により、新潟の未来に貢献し続けていく。

Daisuke Akiyama

秋山 大輔(2002年入行)

北越銀行
本部 ソリューション推進担当 調査役