第四北越フィナンシャルグループの、
サステナビリティへの挑戦。
サステナビリティ・リンク・ローン
当行による新潟県内第1号案件の
担当である行員2人に話を聞いた。
現場の最前線で、お客さまの課題解決に
挑戦し続ける行員が抱く想いとは―

  • Tomohiro Kobayashi

    小林 伴裕

    2007年入行

  • Toshio Nagumo

    南雲 寿夫

    2003年入行

2022年9月30日 第四北越銀行はナミックス株式会社と、極度額70億円のサステナビリティ・リンク・ローン(以下、SLL)※1の契約を締結。
ナミックス株式会社は、国際的な目標レベルに合わせた温室効果ガス排出量の削減率を挑戦目標(SPTs)として設定。今後、このSLLを事業戦略資金として活用するとともに、SPTsの達成を通じて同社が掲げるカーボンニュートラルの取り組みを積極的に推進していくことを目的としている。

南雲
この案件は私が前任店在籍時に取り組み、転勤する際に後任の小林さんに引き継ぎました。
お客さまのサステナビリティやSDGsに関するニーズにお応えすることは私たち第四北越銀行の重要なミッションの一つですので、それが形になった、とても思い入れのある案件です。
小林
当行によるSLL新潟県内第1号の取組みというインパクトの大きい案件を途中からではありますが担当することができ、とてもいい経験になりました。

同社へSLLをご提案するに
至った経緯は

お客さまのニーズを
的確に捉え、
徹底的に考え抜く

南雲
ナミックス株式会社(以下、同社)は、半導体や電子部品などのエレクトロニクス部品に使用される絶縁や導電などの機能を持つ材料の研究開発、製造、販売をグローバルに展開している企業です。日頃から様々なご相談をいただいており、次の2点の経営課題を2021年秋頃から社長と共有していました。
①カーボンニュートラルへの取組に対する取引先からの要請に応えていく必要があること
②その実現に向けた柔軟な資金調達を可能とする借入枠確保のニーズがあること
小林
定期的に足を運び、深度ある対話を通じて築いてきた同社とのリレーションがあるからこそ把握できたことですよね。
南雲
同社が製造するエレクトロケミカル材料は、情報通信機器やハイブリッド自動車、ソーラーパネルなど環境に配慮した製品に幅広く使用されています。同社は「自然と人間の共存共栄」を企業理念に掲げるなどサステナビリティに対する意識が高く、SLLのご提案は課題解決の方法として同社にマッチするものだと考え、次のような提案をさせていただきました。
  • ・SLLは、SDGsやESGに関連する挑戦目標(以下、SPTs)を設定し、その達成状況に応じて融資条件が変更となること。
  • ・SPTsを設定する過程で、Scope1、2※2の把握と、カーボンニュートラル実現に向けた自社の活動をリンクさせることができること。
  • ・SLLは、SPTsの妥当性などを外部機関から評価(第三者評価)を得る仕組みであり、自社の取り組みに対する客観性ある評価によって効果的な対外PRが可能であること。
  • ・随時利用可能な借入枠設定により、SDGsへの取組資金が戦略的かつ柔軟に調達可能となること。
この提案内容を説明させていただいた際に、社長から「SDGsへの取り組みは事業継続する上で避けては通れない。自社でも目標設定のいいきっかけになるし、対外的にPRできることも非常に魅力的。資金調達枠も確保できて助かる。」という評価をいただいたと記憶しています。

案件組成は具体的に
どのように進めたのか

お客さまの課題解決が
最優先

南雲
今回のSLLに限らず、銀行員としてやるべきことは同じだと思います。
まずは日頃からお客さまとの面談などを通してビジネスモデル、課題、ニーズを把握することを徹底します。そして課題・ニーズに対して、当行として考えられる解決策の情報収集を行い、収集した情報をもとに課題に即した提案内容を組成していきます。組成にあたっては本部との連携も重要ですし、外部アライアンスの活用を視野に入れることもあります。
小林
その通りですね。まずは、お客さまと対話を繰り返し、課題を共有することが何より大切ですね。そのうえで、ニーズに対する最適解が何かを、柔軟な発想で検討を行っていくことが大事だと思います。
南雲
私が一番大切にしていることは、お客さまの課題解決が最優先ということ、そして複数課題をまとめシンプルにして解決する方法を模索することも重要だと考えています。また、日頃から学ぶ(自ら勉強する)ことも大切だと思います。

異動により担当が交代するにあたって
どのように進めていったのか

銀行の仕事は
チームプレー

南雲
自分の異動が分かってから、後任である小林さんができるだけ苦労しないよう、同社との相談、当行本部との交渉、職場のメンバーとの情報共有などしっかり準備したつもりです。でも今思い返すと、限られた時間の中で当行による県内初めての案件を引き継いだ小林さんは大変だったろうなと。
小林
最初は確かに大変でした(笑)。でも案件の骨格は出来上がっていましたし、職場のメンバーに協力をしてもらいながら進めることができました。特に直属の上司である課長にも何度も同社との面談に同席してもらい、お客さまとの対話を通じて担当交代前後で認識等に相違が生じないよう努めました。
南雲
銀行の仕事はチームプレーだなと感じますよね。
小林
本当にそう実感します。案件実行に至るまでには他にも多くの方が関わっています。外部コンサルや当行のコンサルティング事業部とは、リンクさせる目標(SPTs)設定について何度も意見交換をしました。また、融資判断にあたっては当行の審査部と議論を重ねました。同社は持続的成長の期待できる優良企業であること、企業価値向上につながること、地域貢献に資する取組みであり当行の経営理念とも整合することなど、取組み意義の高い案件としてまとめることが出来たと思います。

SLL成約後の反響は

同社のSDGsへの
先進的な取組み発信

小林
2022年10月11日にはナミックス本社で成約式典を開催してテレビや新聞でも大きく取り上げられました。
同社がSDGsへの先進的な取り組みをしている企業であるとのイメージが広がり、各方面から様々な反響があったと聞いています。環境課題の解決に向けて、カーボンニュートラルへの施策を積極的に推進していく大変良い契機になったと喜んでいただけました。
当行への反響も大きく、他のお客さまとの面談ではSLLの話題が多く上がるようになるなど地域全体のサステナビリティに対する意識醸成にもつながり、同社と当行、そして県内にとっても意義のある取組みになったと思います。

▲成約式の様子
(2022年10月11日、ナミックス本社)
左:第四北越銀行 田中常務
  右:ナミックス 小田嶋社長

銀行の仕事の魅力、
第四北越銀行で働く魅力

新潟の未来をつくる

小林
お客さまの立場に立ち課題解決のために何ができるか徹底的に考え抜く。このような愚直な活動が実を結んだ際には喜びも大きいですし、自分の仕事が地域貢献につながっていると実感します。
また、日々の活動を通じてお客さまのニーズが多様化・複雑化していることを肌で感じています。だからこそ私たちは県内最大の金融・情報サービスグループとして、新しい価値を創造し、お客さまに還元していかなければなりません。第四北越銀行員として、これまで以上に様々な角度からお客さまのお役に立てる可能性にワクワクしますし、私自身も既存の考え方に捉われず挑戦し続けていきたいです。
南雲
銀行の仕事は、あらゆる業種の企業・個人とつながりを持てることが大きな魅力だと思います。これまでお世話になったお客さまのおかげで、今の自分があると実感しています。
柔軟な発想とチャレンジ精神、何よりも「新潟に貢献したい」という熱い気持ちを持った若い皆さんと、これからの第四北越フィナンシャルグループをそして新潟の未来を一緒につくっていけることを楽しみにしています!

※1サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)
お客さまがSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)に関連する挑戦目標(SPTs)を設定し、その達成状況に応じて融資条件が変更となる商品。SPTsの妥当性やSDGs・ESGに関する取り組みの適切性について外部機関から評価(第三者評価)を得る仕組みとしており、客観的な評価を得ることで自社の取り組みをステークホルダーに効果的にPRすることが可能。

※2 Scope1は事業者自らによる温室効果ガス直接排出、Scope2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出のことを指す。

〈ナミックス株式会社の概要〉

企業名 ナミックス株式会社
所在地 新潟市北区濁川3993番地
代表者 小田嶋 壽信
設立 1947年(昭和22年)2月
業種 エレクトロケミカル材料の研究・開発、製造、販売
ホームページ https://www.namics.co.jp/